近年のAIの発達は目覚ましく、目を見張るものがあります。しかし、AI を使った画像生成にはまだ課題も多く、特に「収益化」に対しては賛否両論あるのも事実です。
そのため、AI を利用して収益化する場合は、「棲み分け」を意識したり「反対意見」について理解したうえで活動するといいでしょう。
それでは、AI 画像生成で収益を得る方法と注意点を解説いたします。
AI を使った画像生成で「収益化」する方法 5 選
AI を使って生成した画像の収益化は、基本的に一般的な写真やイラストとの方法と変わりません。
ただし、サービスにより AI 画像の投稿・販売を禁止している場合があるので、利用前には必ず確認しておきましょう。
※ 当記事を投稿する時点で AI 生成画像の投稿・販売が可能なサービスを紹介していますが、AI 生成画像の取り扱いが変更となる場合がありますので、必ずご自身でもご確認ください。
AI 画像の収益化①:画像の販売
デジタル商品を取り扱っているサービスを利用すれば、AI で生成した画像を 1 枚から販売することが可能です。
例としては、
・BASE(ベイス)
・BOOTH(ブース)
・Snapmart(スナップマート)
などがあげられます。
サービスによっては販売できないタイプの画像もあるので、各サービスの規約をしっかりと確認しておくといいでしょう。
AI 画像の収益化②:サブスクの有料会員を利用
定期的に生成した画像を投稿し、有料会員(ファン)のみが限定コンテンツを閲覧できるようにして収益を得る方法があります。
例としては、
・Fanbox(ファンボックス)
・Patreon(パトロン)
・Fantia(ファンティア)
などがあげられます。
サブスクとなるため、それなりにコンテンツも多く用意しておく必要もありますし、更新頻度の高さも求められます。
そのため、画像のストックが十分な量になってから始めてもいいでしょう。
AI 画像の収益化③:SNS などで個別依頼を受ける
SNS などで定期的に画像を投稿し、ファンになった人から個別依頼を受けて収益を得る方法があります。
例としては、
などがあげられます。
DM などで簡単に依頼は受けられますが、支払いや請求の面ではやや難しさがある方法になります。
そのため、最終的にはデジタル商品を販売できるサービスへ誘導したりする方が、簡単にやり取りができるでしょう。
AI 画像の収益化④:ストックフォトサービスで販売
ストックフォトサービスに生成した AI 画像をアップロードすれば、簡単に販売が可能となります。
例としては、
・Adobe Stock(アドビストック)
・PIXTA(ピクスタ)
・MotionElements(モーションエレメンツ)
があげられます。
ストックフォトサービスに投稿するには審査があり、一定のクオリティを必要とします。
そのため、高品質な画像を生成できるようになってからチャレンジしてみるといいでしょう。
AI 画像の収益化⑤:ダウンロード数によって収益
ストックフォトサービスに生成した AI 画像をアップロードし、ダウンロード数によって収益を得られる方法があります。
例としては、
があげられます。
販売をするストックフォトサービスと違い、ユーザーが無料でダウンロードできるハードルの低さから、比較的に収益化がしやすくなっています。
とはいえ、画像の投稿には審査があるため、ある程度の品質がある画像でチャレンジしてみるといいでしょう。
AI 画像で「収益化」するときの注意点
AI 画像の生成においては、個人で楽しむだけなら特に制限はありませんが、画像の「公開」や「収益化」にはいくつか注意が必要となります。
場合によっては損害賠償責任などに問われることになるため、十分に注意しながら AI を活用した画像生成をしましょう。
注意点①:商用利用はできるか
簡単に AI 画像を生成できるサービスやアプリが次々に公開されていますが、「商用利用」を許可しているサービスはほんの一部です。
しかも基本的には商用利用ができるサービスでも、使用するモデルによっては「不可」になっている場合もあるので、十分に注意して生成しましょう。
注意点②:肖像権侵害にあたらないか
AI を使った画像生成でよく問題にあげられていることは、肖像権侵害にあたらないかということです。
有名人などに似通っていたり、個人が特定できるような人物を生成した画像を販売すると肖像権侵害になる恐れがあるため、「公開」や「収益化」の場合には特に注意しましょう。
注意点③:他者の権利(著作権・使用権等)を侵害していないか
画像を元に生成する場合は、元となる画像の権利(著作権・使用権等)を侵害していないかを確認する必要があります。
そのため、他者が撮影した写真や生成した AI 画像を元にする場合には、十分に注意しましょう。
注意点④:「AI 画像」の表記が必要か
サービスによっては、販売する画像が AI によって生成されたデータであるかを投稿時に確認されることがあります。
冒頭でも述べたように、AI 画像の収益化にはまだ賛否両論あるため、多くのサービスでは「AI 画像」と「実際に撮影した写真」を区別しやすいように専用の切り替えシステムを設けていたりします。
どうしても AI 画像の方が売り上げを伸ばせないこともあるかもしれませんが、「AI 画像」であることをしっかりと申告をするようにしましょう。
注意点⑤:クオリティが低くなっていないか
AI を使用した画像生成のメリットは、簡単に驚くような作品を作ってくれることです。
ただし、入力したプロンプトが忠実に再現されないこともあり、誤認識された状態の画像が完成してしまうことも少なくありません。
パッと見では分からなくても、よく見ると違和感のある画像が生成されていることもあるため、不自然な箇所がないかをしっかりと確認しましょう。
AI 画像を生成するときに「意識したいこと」
それなりの画像を簡単に生成できる反面、誰がやっても同じような画像が量産されてしまうのが AI 生成の難しいところになります。
そのため、収益化を考えている場合は、ターゲット層の「理解」と他の人との「差別化」を意識するといいでしょう。
意識したいこと①:ターゲット層の「需要」を意識する
画像を生成するときは、画像を探している層がどんな人たちなのかを意識するようにしましょう。
例えば、
・YouTube 動画の背景画像を探している人
・SNS 投稿に使う説明画像を探している人
・チラシのデザインに使う画像を探している人
などのように、具体的なターゲット層を思い浮かべながらプロンプトなどを考えると生成しやすくなります。
それらのサービスでどのような画像がよく使われているか、よく観察していると勉強になるはずです。
意識したいこと②:AI 生成以外の画像との「差別化」
実写との見分けが付かないほどの画像を AI は作れるようになってきていますが、AI だからこそ作れるものを生成してみるといいでしょう。
例えば、
・未来を描いた画像
・宇宙をテーマにした画像
・実体のないものの画像
などのように、「実写」では表現が難しいものはたくさんあります。
実写や人が描いたイラストとの「差別化」を意識して、プロンプトを研究してみるといいでしょう。
意識したいこと③:構図のバランスを考える
「ターゲット層の需要」にも通じる部分ですが、画像の「構図」を考えることも大切です。
例えば、
・タイトルなどを入れやすいように被写体を中央にしない
・正面からだけでなく俯瞰した図など別のアングルにする
・生成した画像のバランスを考えて切り抜きをする
などのように、「ユーザーにとって使いやすい画像は何か」を意識しながら生成するといいでしょう。
意識したいこと④:画像のクオリティを上げる
実写にも言えることですが、画像が荒かったりするとユーザーに購入してもらえる機会が減ってしまうでしょう。
そのため、
・詳細な情報までプロンプトに入れる
・自身が思い描く画像を生成してくれるモデルを探す
・ネガティブプロンプトを設定する
などで画像のクオリティを上げられるように試行錯誤してみるのがおすすめです。
写真AC・イラストAC に「AI 生成画像」を投稿してみよう
「写真AC」と「イラストAC」では、AI によって生成された画像を投稿して収益を上げることが可能です。
基本的には、カメラで撮影した写真や自身で描いたイラストを投稿する手順と変わらないため、クリエイターまたはイラストレーターの審査に通ったあとすぐ投稿できるようになります。
投稿時には使用した生成ツールを入力
AI を使って生成した画像を投稿する場合には、画像のデータ編集画面で「AI(人工知能)の使用有無」にチェックを入れ、必要な情報を入力してください。
必要な入力情報は、
・使用した AI 生成ツール(生成サービス)の URL
・プランによって著作権の所在が変わる場合はプラン名(必要な場合)
・著作権確認および特記事項記入欄(必要な場合)
になります。
ダウンロードユーザーは「切り替え」が可能
「写真AC」「イラストAC」ともに、「AI 生成ツール使用素材を除く」のチェックボックスを利用することで AI 画像を含むリストにするか、または AI 画像を除いたリストにするかを切り替えられます。
「実写ならではの良さ」と「AI だからこそできる想像力」を切り替えながら、ダウンロードユーザーも切り替えながら画像を探してみるといいでしょう。
AI を使って画像を生成したり想像を膨らませよう
AI を使って生成した画像には、倫理的観点やさまざまな権利から収益化に至るまでの制限が多々あります。
とはいえ、上記で紹介した注意点を意識しながら画像を生成することで、収益化することは可能です。
まだまだ将来性のある技術であり、AI ではないと難しい「表現」や「構図」もあるため、棲み分けを意識しながら画像の公開や販売をするといいでしょう。
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