トレスと模写の違いを知りたい
トレスできる素材を探している
イラストの作成を誰かに依頼している
「トレス(トレース)」とは、元のイラストや写真にトレーシングペーパーなどの薄い紙を敷き、その上から元の画像をなぞる作業のことを言います。
パソコンでも元の画像を薄くしてレイヤーを増やせば簡単にトレスができるので、イラスト初心者におすすめな練習方法の 1 つでもあります。
ただし、間違った利用の仕方をすると著作権侵害のもとになるため、正しい知識を持ってトレスをするといいでしょう。
それでは、著作権侵害にならないようにする正しい「トレス」の仕方を解説します。
トレパクにならないよう知識をちゃんとつけよう
元あるイラストや写真を「トレス」して「パクリ(盗作)」をすることから生まれた造語「トレパク」ですが、実は悪気なくやってしまっているケースもあります。
とはいえ、わざとではなくても著作権侵害になる場合もあるので、正しい知識を身につけてトレスをするようにしましょう。
トレス自体は違法ではない !?
結論から先に言うと、「トレス」自体は違法ではありません。
重要なポイントは、トレスした作品をどうするかです。
著作権侵害になる主な境界線としては、
・元の作者に「承諾なく」作品をトレスし「公開」した場合
になります。
最終的には元の作品を作成した人が訴えるかどうかの判断となりますが、他の人が作成した作品を勝手にトレスして公開はしないようにしましょう。
逆に、SNS などに公開せずに練習のためだけに使うのであれば、いくらトレスしても違法ではありません。
企業もイラストレーターを雇うときは気を付ける
プロとしてイラストレーターを営んでいる人であれば、著作権についてしっかりと認識を持って働いているはずです。
ただし、イラストレーター初心者などになると、知識が不十分な状態でトレスをして画像を作ってしまう場合もあります。
そのため、企業側としてイラストレーターを雇うときに気をつけておいた方がいいでしょう。
例えば、
・トレスや著作権についてちゃんと知識を持っているか
・トレスする場合は利用しても問題ない素材を使っているか
などです。
知識自体は持っていても、トレスする場合にその素材が本当に利用しても問題ない素材なのかはしっかりと企業側としても確認する必要があります。
トレパクが発覚してしまうと企業イメージにも影響が出る可能性もあるため、作成を依頼する場合にも企業側でしっかりと情報共有しておくといいでしょう。
「トレス」と「模写」の違いは?
「トレス」と似たような表現に「模写」もありますが、「作品を真似して描く」という点では同じになります。
では何が違うのかというと、
・トレス → 元の作品をなぞって描く
・模写 → 元の作品を見ながら真似て描く
となります。
「トレス」の主な方法
「模写」は見たものを真似て描くだけなので、真似る作品と紙とペンさえあれば可能です。
「トレス」の場合は「なぞる」ことが前提なため、多少の準備が必要となります。
デジタルで「トレス」する場合
有料・無料に限らず、イラストを描くソフトを持っている場合は次の手順で「トレス」できます。
1. 元になる画像を決める
2. 選んだ画像の不透明度を下げる
3. 元の画像の上にレイヤーを追加する
4. レイヤーで元の画像をなぞって描く
元の画像はネット上で探すことが一番簡単ではありますが、手元にある画像を使いたい場合はスキャナーで取り込んで使ったりするのもいいでしょう。
アナログで「トレス」する場合
最近ではデジタルでトレスしている人をよく見かけますが、従来のアナログな方法でトレスしてもいいでしょう。
1. 元になる画像を印刷する
2. 元の画像の上にトレーシングペーパーを固定する
3. トレーシングペーパーの上から元の画像をなぞる
4. トレーシングペーパーの裏側を濃い鉛筆で塗る
5. 白紙にトレーシングペーパーを固定する
6. 先ほどなぞった部分をもう一度なぞる
紙の下から光を照らしてなぞれる「トレース台(ライトボックス)」があれば、トレーシングペーパを使わずに元の画像に白紙を直接固定してなぞるだけで写し取れます。
漫画の背景や表紙の一部にトレス使用してみよう
無料でネット上に公開されているイラストや写真の中には、使用が禁止されているものも数多く素材します。
フリー素材サイト「イラストAC」や「写真AC」では、漫画の背景や表紙の一部など利用規約内であれば、自由にトレスして使用が可能となっています。
参照:同人誌・漫画への背景への使用や、トレース使用は可能ですか? | ヘルプセンター
ACワークスが運営するこれらのサービスは無料でご利用いただけるうえ、1 つのアカウントをお持ちであれば全てのサービスにログインできます。
初めての人でも無料のアカウント登録をするだけですぐに利用できますので、まずはどんなフリー素材があるのかチェックしてみてくださいね。
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フリー素材を購入して使用することも可能
漫画の背景や表紙の一部にトレス使用する場合は問題ありませんが、漫画の大半が弊社素材で占めると判断する場合は「商品化ライセンス」の購入が必要となります。
また、グッズにして販売・配布するという場合も同じように「商品化ライセンス」の購入が必要となりますので、ご注意ください。
「商品化ライセンス」については、商品化ライセンスの購入手順を解説【オリジナル商品を作って新たなビジネスチャンスを】の記事で詳しく紹介しておりますので、ぜひこちらの記事も参考にしてくださいね。