2024年3月29日 2024.6.25
施設や建物の写真をアップロードして、著作権に引っかからないか不安に感じた経験はありませんか?
写真ACではモデルリリースと違い、プロパティリリースの取得と提出は義務付けてはおりません。しかし、所有者や権利保有者の許可なしに写真を投稿した後、権利保有者からのクレームが入る可能性もあります。
本記事では、プロパティリリースの概要や取得方法、一般的にはどんなときに必要とされているのかを解説しますので、今後の活動にお役立てください。
<この記事が参考になる人>
・撮影した被写体が著作権に引っかからないか不安に感じる
・プロパティリリースについて知りたい
・写真投稿によるトラブルを避けたい
プロパティリリースとは?
プロパティリリースとは、被写体の所有者に撮影許可と写真の商用利用に同意してもらうための許諾書のことです。第三者が所有・管理する、建物やアート作品・テーマパーク・ペットなどを撮影する際に、取得することが推奨されています。
なぜなら、無断の撮影や商用利用を禁止している被写体の場合、トラブルに発展してしまう可能性があるためです。トラブルを防ぐためにも写真ACでは、アップロードする素材にはプロパティリリースを取得することをおすすめしています。
写真ACのプロパティリリース登録用紙はこちら
プロパティリリースは必要?
どのような被写体にプロパティリリースがあった方がいいのか、全ての被写体に許可が必要なのか疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、一般的にプロパティリリース取得が必要/不要とされている被写体についてご紹介します。
プロパティリリースがあった方がいい被写体
プロパティリリースの取得が求められる、もしくはあった方がいい例をご紹介します。
・商標登録されている企業のロゴや製品
・他人が所有する住宅やペット、特定可能な外観や内観
・競技場や美術館、テーマパーク
・著作権で保護されているアート作品やキャラクター、本、地図など
・ランドマークや歴史的建造物、神社仏閣などの名所
・おもちゃ、乗り物、一点物の家具など、特定可能な形状の製品
・競走馬や特定可能な動物
上記に記載がない場合でも、撮影自体や商用利用の制限を明言している企業や団体もあるため、撮影前に確認する事をおすすめします。
プロパティリリースが不要な被写体
一般的に、下記のような被写体はプロパティリリースは必要ないとされています。
・商用利用しないもの
・著作権が消滅しているもの
・特定できないもの
・風景の写真
ただし、風景の一部である特定の被写体が引き延ばされ、写真のメインとして商用利用される場合はプロパティリリースの取得が求められます。
プロパティリリースの取得が必要か迷う場合はどうすればいい?
プロパティリリースに関して、取得が必要か判断に迷う方も多いでしょう。その場合は、以下の方法を試してみてください。
・被写体を所有、管理する企業や団体の公式HPを確認する
・検索エンジンで「被写体名 撮影許可」と検索する
・所有者(管理者)に直接問い合わせる
プロパティリリースの取得を推奨する理由
プロパティリリースを登録していない写真がダウンロードされ、商用利用された場合に、トラブルが発生する可能性があるためです。被写体の所有者(管理者)から、以下のような対処を求められる可能性があります。
・権利侵害による損害賠償請求
・写真ダウンロードの差し止め
・写真を使用した商用物の販売差し止め
・成果物で得た利益の回収 など
このようなトラブルを避けるためにも、アップロード前にプロパティリリースがあった方がいい被写体かどうか、検討するようにしてください。
プロパティリリースを取得する方法
撮影する被写体が決まったら、撮影前に撮影可否を確認しましょう。被写体の所有者(管理者)が企業や組織の場合は、公式HPに掲載されている可能性があります。もしくは電話で直接問い合わせることも可能です。
許可が必要とされる場合は、プロパティリリース登録用紙をダウンロード・プリントアウトし、所有者(管理者に)署名してもらいましょう。必要事項を記入のうえ、写真ACにプロパティリリースをアップロードしてください。
写真ACでは、電子サインでのプロパティリリース登録も可能です。ご利用方法はこちらをご参照ください。
写真ACのプロパティリリース登録用紙はこちら
プロパティリリースに関してよくある質問
ここではプロパティリリースに関してよくある質問をまとめました。
写真ACでプロパティリリースを登録する方法は?
書類に署名ができたら、写真ACのクリエイターログインをしましょう。マイページを開き、左側の「メニュー」にある「プロパティリリース登録」を開いてください。プロパティ名を入力し、電子化した書類のファイルをアップロードしてください。
アップロードが完了したら、プロパティリリースと写真を紐付けします。写真の「編集」を開き、プロパティリリースの欄からアップロードしたファイルを選び、「追加する」を押します。そして編集画面下部の「保存」を押せば登録完了です。
プロパティリリースの登録方法は、関連記事(画像付き)でわかりやすく解説しています。
電子サインのご利用を希望される場合は、こちらをご参照ください。
モデルリリースとの違いはなに?
モデルリリースは、肖像権の使用を許可するための同意書のことです。プロパティリリースは建物や作品、ペット、物品が対象であるのに対し、モデルリリースは「人物」が対象となります。
プロパティリリースに関して誰に問い合わせればいいか分からない
プロパティリリースは、被写体の所有者や管理者へ問い合わせが必要です。所有者(管理者)は運営会社や組織、個人など多岐にわたり、有名なものであればホームページから調べることが可能です。
たとえば、東京タワーを撮影する場合は株式会社TOKYO TOWERへ、スカイツリーの場合は東武タワースカイツリー株式会社等に確認をする必要があります。住宅を撮影したい場合は、その家に住む家主に撮影可否を伺いましょう。
プロパティリリースはホームページのどこに載っている?
「プロパティリリース」という言葉が明記されているケースは少ないですが、撮影に関する注意事項や写真の用途制限が記載されている傾向があります。ホームページでは、以下の場所を探してみてください。
・利用案内
・撮影・取材について
・お問い合わせ
・よくあるご質問
もしくは検索エンジンで「被写体名 撮影許可」と調べることもおすすめです。
プロパティリリースを取得すればトラブルにはならない?
プロパティリリースを取得した場合でも、必ずしもトラブルを回避できるわけではありません。写真を撮ったり利用したりする場合には、以下のことにも注意しましょう。
・写真撮影の場所を独占していたり、一般利用者の迷惑になっていないか
・被写体のイメージを損なうものではないか
・既定の使用範囲を超えていないか
・ブランドや名所の集客力を利用した使い方ではないか
一部はダウンロードユーザーにも関わることですが、クリエイターの皆様も自分の作品がどのように利用されるかを想定した上で、撮影・アップロードすることを心がけてくださいね!
まとめ
プロパティリリースは、第三者が所有・管理する建物や作品、物品を撮影し、商用利用する際に必要な許諾書のことです。さまざまな風景やシーンを撮影するクリエイターの方にとっては、プロパティリリースの取得は判断に迷うケースも多いでしょう。
判断に迷った際は、被写体のホームページや所有者本人に確認することをおすすめします。トラブルを防ぐためにも、本記事を参考にして必要な場合にはプロパティリリースの取得をお願いします。